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2013読書

『他人の顔』 安部公房

他人の顔 (新潮文庫)他人の顔 (新潮文庫)
(1968/12/24)
安部 公房

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液体空気の爆発で顔に大怪我をおい、自分の顔を失ってしまった男が
ある計画のために、世間から姿を隠し1年間かけて準備をしていく。
その準備段階から実行までを詳細に3冊の大学ノートに記録をつけ、
ある人に読ませるために加筆し仕上げていく物語。

男の顔は、大人は目をそらし子供は泣き出す無残な状態で、
普段は包帯を巻いて生活をしている。
包帯というのも勿論目立つし、常に人に注目をされてしまう。
顔を隠したいのに注目されてしまうという恐さ。

人は、コミュニケーションのために表情を読むが、
包帯の男の顔には表情が表せず、全く外との通路を絶たれた状態。
たった一人内に籠もり、計画のために黙々と作業を進め、
計画実行の妄想を繰り返して生きる糧にしていく。

ノートにひたすら吐露される男の心は、詩的な表現ながら、
暗くゆがみ陰に籠もったもので、同情心をあおられても、
読むうちに少し腹立たしい程だ。

「顔」は、普通あるだけで世間に溶け込むことが可能だ。
もしくは、アラブの女性のように全員が「顔」を隠しているか。
この主人公のように顔を失えば、そのために人々の視線を浴び、
逃れられない。対局に美しすぎる「顔」もまた、同じなのだろう。

人間一人ひとり違う顔を持っているが、それは、ただ美醜を競う為のものではなく、コミュニケーションを取ったり、その人間がどういう人か一番始めに現しているところだ。
この男のように、顔を失うことで心も失ってしまう恐怖。

- - - - -

追記ですが、
作者について調べていてもう一冊「砂の女」を読んだことを
思い出した。これは、学校の先生が松本清張の「砂の器」を
薦めてくれたのに間違えて読んだのだった
先生が言ってたストーリーと違う~と思いつつ最後まで読んだ、
灼熱の蟻地獄。今回読んだ上記と同じく悶々とした小説だった
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プロフィール

Namiko

Author:Namiko
2011年7月~2014年3月
 鳥取県米子市に在住
2011年12月
 人生観が変わりました

心の声に耳を澄ませて
会いたい人にはすぐ会う
行きたいところには行く
いつもにっこり微笑んで
毎日の生活に幸せを探す

米子での楽しかった日々を糧に
奈良でも自分磨きをし、
ピカピカに光りたいと思います

みずがめ座A型
要約筆記勉強中
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